WANランクアップ通信

犬との生活2.0 横浜市で犬のしつけ・イベント・セミナーを行うclover(クローバー)のブログです

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「まだ子犬なのに、かわいそう…」と感じてしまう前に


子犬を迎えたばかりの飼い主さんからご相談を受けていると、
ある共通点を感じることがあります。

それは、人間の子供と犬の子犬時期を、無意識に重ねてしまっている方がとても多いということです。

迎えて間もなく、
「物音に吠えるようになった」
「家具や物をかじってしまう」
「トイレをなかなか覚えない」
「かまってくれないと吠える」
そんな“困った行動”が出てきて、相談を受けることが少なくありません。

でも実は、こうした困りごとの多くは、
「管理できないときは、サークルで過ごしてもらう」
それだけで、かなり落ち着いていくケースがほとんどです。

ところがこの提案をすると、
「まだ子犬なのに、かわいそう」
「閉じ込めるみたいでできない」
そんな言葉が返ってくることがあります。

はっきり言葉にしなくても、
どこかで「かわいそう」という気持ちが引っかかって、
結局サークルを使わなくなってしまう方も少なくありません。

サークルは「閉じ込める場所」ではない

ここで、少し視点を変えてみてほしいのです。

犬にとってのサークルは、
人間の子供で言えば「子供部屋」、つまり自分だけの個室のようなもの。

最初から
「ここは安心して、ゆっくり過ごす場所だよ」
と教えてあげると、サークルはとても便利な存在になります。

そもそも、いたずらやトイレの失敗の多くは、
目を離しているときに起きているものです。

ここで言う「目を離しているとき・管理できないとき」とは、
同じ部屋にいるかどうかではなく、
きちんと見ていられるか、把握できているかという意味に近いものです。
同じ部屋にいるから管理できている、とは限りません。

「かわいいから、ずっと一緒」が不安を生むことも

子犬がかわいくて、
無意識のうちにずっとそばに置いて撫でていたり、
四六時中抱っこしていたりすることもあります。

人間の赤ちゃんや小さな子供と同じ感覚で、
「触れ合っている時間が長いほどいい」と思ってしまうのも、無理はありません。

けれど犬からすると、
常に抱っこされていたり、
触られていない状態のほうが、
「いつもと違う」「何かおかしい」と感じてしまうことがあります。

犬は、日々の生活の中で「これが通常」という状態を学習する動物です。
その通常から外れた状況は、不安につながります。

つまり、
ずっと触られていることが「当たり前」になると、
ひとりで過ごす時間や、何も起きていない時間のほうが
不安になってしまうことがあるのです。

サークルは、犬と人の「安心」をつくる場所

サークルは、犬を隔離するためのものではありません。
人と犬が、それぞれ落ち着いて過ごすための空間です。

物理的な距離をとって、
お互いがそれぞれ安心して過ごす時間を生みます。

「かわいそう」と思って可愛がることが、
本当に犬のためになっているのか。
一度、立ち止まって考えてみてほしいのです。

自分が癒されたいがために、
犬を常に刺激の中に置いてしまうことは、
犬の心を安定させていると言えるでしょうか。

人の安心のために、犬を不安定にしてしまうことは、
犬の幸せにつながるのでしょうか。

子犬にとって必要なのは、
ずっと触られることでも、常に一緒にいることでもなく、
「安心して、何も起きない時間を過ごせる環境」です。

サークルは、その安心をつくるための大切な道具のひとつ。
「かわいそう」という気持ちの奥にあるものを、
少しだけ見つめ直してみてもいいのかもしれません。

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